第1章 AI方針

IDグループは、AIシステムの開発と提供、そして顧客のAI利活用を支援することを通じて、社会的価値の向上を目指します。私たちは利害関係者の期待に応える安全で倫理的なAIの推進に取り組み、企業としての競争力を強化し、持続可能な未来の実現に貢献します。

1. 挑戦と創造へのコミットメント

IDグループは、社員がAI活用の取り組みに主体的に参画することを重視しています。社員一人ひとりの自由な発想を尊重し、部門や職種を越えた協働によって新たな価値創出を目指します。AI技術は単なる業務支援ツールではなく革新の源泉です。挑戦する姿勢と創造力で未来志向の取り組みを推進し、「Waku-Wakuする未来創り」に貢献します。

2. 組織の目的への整合

IDグループの組織の目的、事業戦略と整合するかたちで、AIシステムの開発と提供、顧客のAI利活用の支援を実施します。これらが整合することで顧客価値最大化と組織全体の成長・競争力強化に寄与します。

3. 要求事項の遵守

IDグループは、AIシステムの開発と提供、顧客のAI利活用の支援にあたって、関連する法令、業界規格、契約条件、社内ルールなど、適用される要求事項を厳格に遵守します。個人情報保護やデータガバナンスに関する規制には細心の注意を払い、透明性と責任ある運用を徹底します。

4. 知的資産と資源の有効活用

IDグループは、蓄積してきた知的財産や人的資源などの経営資源を最大限に活用し、安全かつ効率的なAIシステムの開発と提供、顧客のAI利活用の支援を実現します。既存の力量を土台にしながら、新たな知見や外部との連携も取り入れ、AI活用の幅を広げ、持続可能な成長を支えます。

5. 継続的改善の実践

IDグループは、AIマネジメントシステムの有効性を定期的に評価・分析し、得られた知見をもとに継続的な改善を行います。技術の進化や社会的要請の変化に柔軟に対応しながら、運用プロセスや体制の見直しを図り、より高い品質と信頼性を追求します。改善活動は一過性のものではなく、組織文化として根付かせ、常に最適な状態を維持することを目指します。

6. 倫理性・透明性・持続可能性の重視

AIシステムの開発と提供、顧客のAI利活用の支援において、倫理性、透明性、公平性、説明可能性を重視し、社会的責任を果たすことを最優先とします。アルゴリズムの偏りや不透明な判断を排除し、誰もが納得できる形でAIが利用できることを目指します。また、環境や社会への影響にも配慮し、持続可能な形でAI技術を発展させていく姿勢を貫きます。これにより、ステークホルダーとの信頼関係を築き、長期的な価値を創出します。

7. AIシステムの開発と提供

IDグループは、AIシステムを開発し、顧客に提供します。開発にあたり、AIシステムのライフサイクル全体を管理し、品質、安全性、セキュリティ、プライバシー確保を前提に顧客価値の最大化をはかります。学習データの利用目的の明確化、権限管理、保存期間管理、第三者提供有無の明示など、必要な取扱を適切に実行し、データの保護を十分なものとします。またモデル構成要素の性能評価、リスク評価、脆弱性評価を行い、AIシステムの安定性を担保します。

8. 製品・サービスの創出

IDグループは、高度システム運用、アプリケーション開発、ITインフラやセキュリティ分野における経験を活かし、AI技術を活用した独自の製品・サービスの創出を行います。これらの製品・サービスは、単なる技術提供ではなく、顧客に新たな価値を提供することを目指したものであり、このような取り組みが、「Waku-Wakuする未来創り」に貢献すると信じています。


この方針によってIDグループは、「Challenge」「High Technology」「Global」「Creative」の4つのビジョンを実現し、我々が掲げる「Waku-Wakuする未来創り」に向けて、一丸となって取り組んでまいります。
また、この方針を実現するために、AIマネジメントシステムを構築、維持し、方針と整合するかたちで、AI目的を設定し、管理します。

制定日:2025年 10月 1日
最新改訂日:2026年 5月 1日
株式会社IDホールディングス
代表取締役社長 兼 グループ最高経営責任者 舩越 真樹

第2章 AI方針を実装するための具体指針

IDグループの考え方

本章は、AI方針に基づき、IDグループがAIの活用にあたって重視する考え方と取組みの方向性を示すものです。IDグループは、高度システム運用、ソフトウェア開発、ITインフラ、セキュリティ等で培ってきた実務知見を基盤として、AIを単なる先端技術としてではなく、顧客や社会の課題解決に結びつける仕組みとして捉えています。企画、開発、提供、運用に至る各段階で、現場に根ざした実装力と責任ある対応を通じて、安心して活用できる価値の提供に努めます。
適用範囲:本章は、IDグループが開発・提供するAIを活用した製品・サービス、および顧客によるAI利活用を支援する活動に適用します。対象には、生成AI、機械学習、ルールベース等の技術を用いた機能を含み、外部のクラウドサービスやAPI等を組み合わせて提供する場合も対象とします。企画・設計から運用・改善まで、顧客に寄り添いながら一貫して支援することを、IDグループの基本的な姿勢とします。

1. 挑戦と創造へのコミットメント

社員一人ひとりの主体的なAI活用と、部門や職種を越えた協働による価値創出を推進することが重要です。IDグループは、自由な発想を尊重するだけでなく、それを現場で使える形に落とし込み、顧客価値につなげることを重視しています。挑戦を後押ししながらも、品質、安全性、法令遵守、信頼性への責任を両立させ、実効性のある形で新たな価値を生み出していきます。

  1. 目的を明確にした活用:AIの活用にあたっては、解決したい課題や期待する効果を明確にし、現場で実効性を発揮できるよう取り組みます。
  2. 段階的な検証と展開:導入や展開は、対象範囲や利用条件を整理しながら、段階的に進めます。
  3. 知見の活用:運用や開発の現場で蓄積してきた知見を活用し、品質と効率の両立を図ります。
  4. 学びの蓄積:成功事例だけでなく、課題や改善点も今後の取組みに活かします。
  5. 適切な管理の徹底:試行段階を含め、個人情報や機密情報の取扱い、アクセス制御、外部サービス利用条件の確認を適切に行います。

2. 組織の目的への整合(具体指針)

AIの活用は、個別業務の効率化にとどまらず、IDグループの事業目的、顧客価値および社会的責任と整合する形で推進することが重要です。IDグループは、技術そのものの新しさだけではなく、顧客の業務や現場にどのような変化と価値をもたらすかを重視し、構想段階から導入後の定着までを見据えて取り組みます。

  1. 事業目的との整合:AIの活用目的を、品質向上、業務高度化、顧客満足の向上、リスク低減などの事業上の目的と結び付けて整理します。
  2. 利用場面の明確化:AIの出力がどの業務や判断に活用されるかを具体的に捉え、現場での使われ方まで見据えて設計します。
  3. 役割と責任の整理:当社、顧客、関係部門それぞれの役割と責任の範囲を明確にし、伴走型で推進する体制を整えます。
  4. 継続運用を見据えた判断:導入時の効果だけでなく、運用、改善、監視等に必要な体制や負荷も踏まえて総合的に判断します。
  5. 段階的な導入と拡大:対象業務や対象範囲は、期待される効果とリスクを見極めながら、段階的に拡大します。

3. 要求事項の遵守(具体指針)

AIシステムの開発・提供および顧客支援においては、法令、業界規格、契約条件、社内ルール等の要求事項を遵守することを前提とします。特に、個人情報や機密情報の取扱い、知的財産権、セキュリティ要件、外部サービスの利用条件については、企画、設計、運用の各段階で確認し、適切に対応します。

  1. 要求事項の把握:適用される法令、契約条件、社内規程、外部サービスの利用条件等を整理し、関係者で共有します。
  2. データと権利の確認:利用するデータやコンテンツについて、出所、利用目的、利用条件、保持期間等を確認します。
  3. プライバシーへの配慮:個人情報を取り扱う場合は、必要な保護措置を講じ、適切な管理を行います。
  4. セキュリティ要件への対応:認証、権限管理、ログ管理、脆弱性対応等を通じて、安全な運用を確保します。
  5. 例外対応の管理:要求事項を満たさない状態での提供は原則として行わず、やむを得ない場合は適切な承認と管理のもとで対応します。

4. 知的資産と資源の有効活用(具体指針)

IDグループが蓄積してきた知見、成果物、運用ノウハウ等を活用することで、AIの品質、安全性および提供効率の向上を図ります。あわせて、再利用に伴う前提条件の違いや新たなリスクにも留意し、必要な見直しを行いながら適切に活用します。

  1. 既存知見の活用:設計、評価、運用に関する既存の知見や成果物を活用し、品質の安定化を図ります。
  2. 前提条件の確認:再利用にあたっては、対象業務、データ、利用者、利用環境等の違いを確認し、必要に応じて見直します。
  3. 適切な人材配置:案件の内容やリスクに応じて、必要な専門性を有する人材を適切に配置します。
  4. 共通化の推進:共通的に利用できる資産を整備し、継続的な品質向上につなげます。
  5. 知見の蓄積と共有:実績や課題を整理し、今後の取組みに活かせるよう共有します。

5. 継続的改善の実践(具体指針)

AIは、提供後もデータや利用環境の変化により、性能や安全性に影響が生じる可能性があります。そのため、リリースを終点とせず、監視、評価、改善を継続的に行い、安定した品質と信頼性の確保に努めます。IDグループは、システムを安定的に支え続けてきた運用の知見を活かし、導入後も価値を持続させる改善を重視します。

  1. 監視と把握:性能、安全性、利用状況、コスト等を継続的に確認し、変化や異常の早期把握に努めます。
  2. 対応条件の明確化:重大な影響が想定される場合に備え、利用制限や停止を含む対応方針をあらかじめ定めます。
  3. 変更管理:データ、モデル、設定等の変更については、影響を確認したうえで適切に管理します。
  4. 継続的な評価:定期的な検証を通じて、品質や適合性を確認します。
  5. フィードバックの活用:利用者や顧客からの意見、問い合わせ、改善要望を今後の改善に活かします。

6. 倫理性・透明性・持続可能性の重視(具体指針)

AIが生み出す価値は、利用者、顧客および社会からの信頼の上に成り立ちます。そのため、倫理性、公平性、説明可能性、透明性を重視し、利用者が適切に活用できるよう必要な情報提供と配慮ある設計を行います。また、環境負荷や運用負荷を含む持続可能性にも配慮し、過度な資源消費を避けながら、責任あるAI活用を推進します。

  1. 説明責任への配慮:AIの利用目的、前提条件、留意事項等を、利用者に分かりやすく示します。
  2. 公平性の確認:特定の属性や条件に偏った影響が生じないよう、必要な確認を行います。
  3. 人による関与:重要な判断に関わる場面では、人による確認や統制を適切に組み込みます。
  4. 透明性の確保:データの出所、主要な設定、変更履歴等を適切に管理し、必要に応じて説明できる状態を維持します。
  5. 持続可能性への配慮:目的に応じた適切な技術や資源を選択し、環境面および運用面での負荷低減に努めます。

7. AIシステムの開発と提供(具体指針)

AIシステムは、データ、モデル、アプリケーション、運用および利用者の相互作用によって成り立っています。そのため、企画から開発、提供、運用、終了に至る各段階において、品質、安全性、セキュリティおよびプライバシーに配慮した管理を行います。外部のAIサービスやSaaS、API等を利用する場合も、システム全体としての責任ある管理を徹底します。IDグループは、システム開発だけでなく、その後の安定運用まで視野に入れた設計と実装を重視し、安心して使い続けられるAIシステムの提供に努めます。

  1. データ取扱の管理:利用目的、権限、保持期間等を整理し、適切なデータ管理を行います。
  2. 多面的な評価:AIシステムの機能だけでなく、安全性、公平性、安定性、セキュリティ等の観点から総合的に評価します。
  3. 安全対策の実装:想定外の利用や不適切な出力等に備え、必要な制御や監視を行います。
  4. 変更履歴の管理:モデル、設定、データ等の変更履歴を適切に管理し、再現性と説明可能性を確保します。
  5. 運用状況の監視:性能、利用状況、コスト、セキュリティ事象等を監視し、必要に応じて適切に対応します。

8. 製品・サービスの創出(具体指針)

AIを活用した製品・サービスの創出においては、技術的な新規性だけでなく、顧客課題に対する提供価値、継続的な運用可能性、収益性および提供責任を総合的に考慮します。IDグループは、高度システム運用、アプリケーション開発、ITインフラ、セキュリティ分野で培ってきた強みを掛け合わせ、構想にとどまらない実装可能な製品・サービスへとつなげることを重視します。

  1. 製品化の判断:顧客価値、運用可能性、セキュリティ、法令適合性、提供体制等を総合的に評価して判断します。
  2. 文書の整備:利用方法、留意事項、制約条件、問い合わせ方法等を整理し、利用者に分かりやすく示します。
  3. 導入支援:利用開始時に必要な設定、教育、運用ルールの整備を支援し、定着まで伴走します。
  4. 品質の確保:リリース前後を通じて、必要な評価や検証を行い、品質の維持向上に努めます。
  5. 継続的な管理:利用状況やコストを踏まえ、安定的かつ持続的に提供できるよう管理します。


以 上

制定日:2026年 6月 1日