事業等のリスク

 当社グループは、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるあらゆるリスクを的確に把握し、経営への影響を低減していくために、2019年4月に取締役会の諮問機関としてリスク管理委員会を改組の上、グループリスク管理委員会を設置しました。想定される各リスクを3つの主要リスク(経営・財務リスク、人事・労務・社会全般リスク、事業部門リスク)に分類、小委員会を新設し、リスクの洗い出しと対策の立案を行ったうえで、グループリスク管理委員会がその内容について議論、検証を行っています。
 特に当社グループの事業業績、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在において当社グループが判断したものです。

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルスの感染拡大に対して当社グループは、2020年1月29日より中国および感染国より帰国した社員の在宅勤務、社員の社内でのマスク着用の徹底、感染者が多数いる海外への渡航の自粛を実施、以降、2月17日には時差出勤、テレワーク・テレビ会議の活用を奨励、社内集合研修は延期する等の対策を拡大し、状況に応じた対策を率先して実施して参りました。
 今後も国内外の景気への多大なる影響が懸念され、経済活動、企業の経営環境および雇用情勢などの先行きは不透明な状況です。
 当社グループの顧客における経営状況の変化により、情報システムの投資計画見直し・延期が行われた場合には、当社グループへの発注の減少や契約が更新されない可能性があり、市場全体の投資意欲が後退することにより、新規顧客や新規案件の獲得が予定通りに進まない可能性があります。
 また、当社グループや当社グループのパートナーが許容以上の在宅勤務体制になった場合、労働生産性の低下による顧客のシステム開発業務の遅延等の発生や従来提供してきた高品質のサービスが十分に提供できない可能性があり、今後、事態が長期化及び深刻化する場合には、安定した人材の確保に影響を及ぼす可能性もあります。
 一方で、情報サービス業界においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークを想定したIT環境の整備・導入や、情報資産のクラウド化の加速などの新たなニーズが期待されています。
 かかる状況の中、当社グループはリスクシナリオを①新型コロナウイルス感染症は2020年8月ごろに一旦収束するものの、同年12月から2021年4月ごろにかけて再流行する、②顧客企業の本格的なIT投資再開は2021年3月期第2四半期以降となると置き、今後の見通しを立てています。
 新型コロナウイルス感染症の将来に関する事項は、2020年4月末現在において当社グループが判断したものです。新型コロナウイルスの終息時期は依然として不透明であり、実際に起こり得るリスクはこの限りではありません。
 当社グループは、このリスクを特に重要なリスクと位置づけ、今後も継続して状況の変化を注視、都度対策の検討・見直しを行い、リスクを軽減する体制を構築しています。

特定の取引先への依存について

 みずほフィナンシャルグループの当社グループにおける売上比率は当連結会計年度21.6%となっています。当社グループは、みずほフィナンシャルグループ傘下の企業と長期にわたり安定的な取引関係を築いています。しかしながら同グループへの売上高比率が高いため、同グループとの受託業務について変動が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今後も引き続き同グループとの取引関係を維持・拡大していく方針ですが、一方で同グループ以外の顧客の深耕や、M&Aや業務提携等による新たな顧客の獲得に向けても取り組んでまいります。

市場環境の変化について

 ITサービス業界を取り巻く環境は、AIやIoTといったデジタル技術の進歩も速く、それに応じた事業改革、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する顧客ニーズが急速に高まっており、当社グループが提供するサービスが陳腐化し、競合他社に対する競争力の低下を招いた場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、社会の変革をもたらす先端技術の知見を深め、ビジネスに活かしていくことを目的として2018年4月に先端技術室を設立しました。さらに2020年1月には株式会社DXコンサルティングを新設し、システム運用分野における業務改革や品質向上等のコンサルティングに強みを持つグループ内の部門を集約しました。
 このような施策により、当社グループは、長年蓄積してきた顧客システムに関する業務知識やノウハウをもとに、既存のサービスソリューションにアドバンスト・テクノロジーを組み合わせることにより、顧客ニーズにあった付加価値の高いサービスの提供に努め、市場環境変化に対応しています。

企業買収リスクについて

 当社グループは、M&Aによる事業の拡大を経営戦略のひとつとしています。しかしながら、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた効果を得ることができず、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、それらを実施する場合には、対象企業の財務や税務、法務等について会計士や弁護士等の専門家によるデューディリジェンスを行うことにより、事前にリスクを回避するように努めています。また、実施後は出資先の取締役会等への陪席、又は決算資料等の精査により、経営状況を定期的にモニタリングし、当社グループの経営成績および財政状態への影響の把握に努めています。

グローバル事業に関するリスク

 当社グループは、事業戦略の一環として、中国、シンガポール、ミャンマー、米国、ヨーロッパを中心にグローバル事業を推進しています。しかしながら、グローバル経済や為替などの経済動向、取引をめぐる法規制、商習慣の違い、政治的・社会的変動等のさまざまな要因が、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 各海外拠点の経営状況や外部環境の変化等についてはグローバル推進部ならびにコーポレート戦略部が中心となって適宜把握するとともに、個別のリスク事象についてはグループリスク管理委員会において内容の把握や状況確認、対策の進捗確認や効果検証を行い、リスク低減に取り組みます。

人材確保のリスクについて

 最新のDX技術への対応、顧客満足度の向上には、優秀な人材の確保と育成は重要な課題です。しかしながら人材の確保・育成ができない場合、また、事業変革にともなうニーズにあった人材の補充ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは国内・海外で新卒及び中途採用により付加価値の高い人材確保に努めており、入社後は計画的ローテーションとトレーニングにより、アドバンスト・テクノロジーエンジニアへの育成・推進を図っています。また、顧客ニーズの変化へ対応するため、人材のスキルチェンジを進めるとともに、新規ビジネスを模索してまいります。

情報管理について

 当社グループは、常に情報セキュリティの維持・向上を図り、お客さまに満足いただけるサービスを提供してまいりますが、万が一、不正アクセスや重大なエラー等により、お客さまや取引に関する情報の紛失、改ざん、漏えい等を発生させた場合には、当社グループの信用は失墜し、経営成績および財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、個人情報をはじめとする情報資産を適切に取り扱うため「情報管理基本方針」、「プライバシーポリシー」など各種規程を整備しており、2018年5月に施行されたEU一般データ保護規則(GDPR)にも対応済です。
 また、情報管理全般について組織横断的に協議を行う情報管理委員会を設置し、情報管理体制強化に努めています。くわえて、法令やガイドライン改定に応じ規定見直しを行うとともに、定期的な教育によりコンプライアンス意識の更なる向上に努めています。さらに、PマークおよびISO27001の認証を取得し、維持・継続しています。
 なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの社員がテレワークに切替えており、通常勤務時と比べて情報漏えいの危険性が高まることを踏まえ4月9日、「テレワーク(在宅勤務)セキュリティガイドライン」を策定しました。

自然災害・テロ・感染症等について

 地震・台風・洪水といった大規模な自然災害に関連するリスクは年々高まっており、加えて世界各地で発生するテロや感染症等による被害は完全に回避できるものではなく、想定規模を超える被害発生時には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、地震・洪水等の大規模災害、テロ等の犯罪行為、感染症の流行等の業務遂行が阻害されるような場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、危機管理マニュアルおよび業務継続計画(BCP)を制定しています。具体的にはバックアップセンターの確保、食料・衛生用品の備蓄、安否確認システムの導入、在宅勤務態勢の構築等を行っており、各種マニュアルの見直しとともに定期的に訓練を実施しています。

ESGについて

 企業の非財務情報に関わる活動が企業の持続可能性や中長期的な企業価値に多大なる影響を与えることから、ESGに関する事項に注目が集まっており、取組みがおろそかになれば、成長機会を逸することにもつながりかねない可能性があります。
 当社グループでは、2020年4月にESG活動を統括・推進するため、ESG推進部を新設しました。
 従来のCSR活動の範疇に留まることなく、環境・社会・ガバナンスへの課題への対応を強化し、当社グループの事業活動を通じて社会課題の解決に繋げることにより、顧客および投資家に対する評価の向上と、当社グループの持続的成長が可能となります。

ソフトウェア開発および基盤環境構築業務遂行上のリスクについて

 当社グループにおけるソフトウェア開発および基盤環境構築の売上比率は、当連結会計年度43.4%を占めています。高度化、複雑化、短納期化する当業務においては、開発途中での要件変更、品質の低下、納期遅延などの問題が発生するリスクがあります。
 当社グループでは、これらのリスクをヘッジするために、ISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを導入しています。新規大型案件の引合いを受けた際には受注検討会を開催し、取引方針、採算性、要員体制、技術対応力、技術蓄積の可能性等について経営的判断に基づく検討を行い、品質管理部門による各プロジェクトの提案、見積段階から納品に至るまでのプロセスを通したリスク分析・管理を実施し、プロジェクト遂行中のQCD(品質、コスト、納期)状況を定期的にレビューし、異常を検知・予測して早期に対策を講じて不採算案件の発生防止に努めています。
 このような取り組みにもかかわらず計画通りの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しない場合にはプロジェクト完遂のための追加費用発生や損害賠償責任によって採算が悪化し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、昨年度におけるプロジェクトの不採算案件は1件でありその影響は軽微です。
 更なるプロジェクト管理強化の対策として、今年度より組織の変更を行い、従来一括開発を行っていた組織を集約、グローバル・イノベーションセンター(GIC)を設置しました。更に、プロジェクトディレクターを新たに任命し、プロジェクトの統括管理行う体制を構築しました。この新組織により、一括受託型プロジェクトの管理強化、ならびに柔軟かつ適正な人員配置を行えるようにしています。

システム運営管理業務遂行上のリスクについて

 当社グループにおけるシステム運営管理の売上比率は当連結会計年度45.4%を占めています。システム運営管理業務において、誤操作等によるシステム障害や情報提供の遅延等を発生させる可能性は、皆無ではありません。大規模なシステム障害等を発生させた場合、損害賠償責任が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、このような障害を未然に防止するため、「影響度の高い業務は再鑑体制を徹底」、「ツールによる自動化を推進」等を実施しています。また、品質管理部門を設け、「障害の未然防止研修」「障害要因分析・フィードバック」「現場立ち入り検査」等を企画実施しています。さらにISO9001認証を取得し、品質向上に向けた継続的改善を図っており、昨年度も大規模なシステム障害は発生していません。
 更に、当社グループのコアビジネスであるシステム運営管理業務は、デジタルトランスフォーメーション(DX)が推進され、既存システムに対する保守費の削減、自動化、パブリッククラウドの利用、主要顧客に次世代システムへの移行やセンター集約も進み、大きな転換期を迎えており、従来の単純なオペレーション業務に限れば、規模が縮小する可能性があります。
 当社グループとして、運用サービス変革タスクを立ち上げ、システム運営業務の将来性を鑑みた業務の付加価値を高めるオペレーションの自動化等のDX施策を推進するとともに、要員のスキルチェンジによる他部門へのシフトも進めています。

パートナー会社からの要員調達について

 当社グループは、案件ニーズにマッチした人材の調達、および受注量増減に対して機動的に対応するため、パートナー会社からの要員調達についても積極的に進めています。しかしながら、市場の変化により計画を大きく超える受注量の増減が急激に起きた場合には要員調達の不調、または、要員リリースがタイムリーに行えないことによって、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、パートナー会社に対し定期的にパートナー会や勉強会を実施することにより、事業方針や案件情報、トラブル事例共有等の情報交換を密にし、コアパートナー会社との協力関係を更に深め、一括案件受注体力があり品質管理が期待できる協業体制を構築し、品質の向上と要員の調達力向上に努めています。
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